What Sets Sencha and Gyokuro Apart?

煎茶と玉露は何が違うの?

栽培からお茶の淹れ方まで、5つの特徴を紹介します。

日本茶が好きでも意外と知らないのが「煎茶と玉露の違い」です。

日本茶を飲むのが初めての人だけでなく、日本茶好きの皆さんも改めて知っていただくと淹れ方だけでなく、味の奥深さや日常に合わせて楽しめる要素へと繋がります。

ここでは、「煎茶と玉露」について5つの特徴を分かりやすく解説します。


1. 育て方

同じ茶樹でも育て方が異なることで、煎茶と玉露が誕生します


新芽が出るまで

新芽が開いてから

新芽を摘む時

肥料

煎茶

太陽の下で栽培

引き続き太陽の下で育成

太陽の下で収穫

上質な肥料を最適な量で与える

玉露

太陽の下で栽培

1、2枚開き始めた頃から、被覆栽培を開始。


段階的に日光を遮って育てます。遮光期間は約3週間で新芽の収穫前には、約98%まで遮光され、暗がりの中で育ちます。

98%遮光された状態で収穫

遮光するため煎茶よりも多くの肥料が必要。


玉露の有機肥料は難しく、熟練した農家だけが作れる

*被覆栽培とは:新芽を育てている期間、茶畑に日光を遮る遮光資材を被せて栽培する方法

育て方が異なることで、淹れ方、味、香り、栄養が大きく変わってきます。


2. 作り方(製造工程)

玉露は、江戸時代から製法が確立されていました

玉露は江戸時代に「煎茶を一定期間、遮光すると抹茶のように旨味と甘味を多く含んだ茶葉ができるのではないか?」という発案から誕生しました。栽培方法は異なるものの、茶葉を収穫した後の煎茶と玉露の作り方(製造工程)に違いはありません。

しかし、玉露は仕上げの選別により商品になる茶葉が少なくなります。玉露が昔から高級茶として飲まれているのは、栽培の時の手間だけでなく、必然的に収穫した量より少ない量でしか「玉露」として販売できないのも理由の1つとなります。


3. 栄養分の違い

見た目は似てますが煎茶と玉露では、栄養分が異なります

煎茶と玉露では味はもちろん、茶葉が持つ栄養分も異なります。

栄養

効能

タンニン

(カテキン類)

抗酸化作用

テアニン

(アミノ酸類)

リラックス・α波

ビタミンC


美肌・免疫力向上

カフェイン


やる気・認知症予防

総繊維

(食物繊維)

血糖値の改善

煎茶

13.44%

2.94%

410mg

2.64%

17.89%

玉露

10.74%

4.77%

170mg

3.48%

19.63%

日本茶のすべてが分かる本から抜粋

上記以外に日本茶にはミネラルも含まれています。

このようにコーヒーや紅茶、中国茶にはない楽しみ方が日本茶にはあります。未発酵茶の日本茶だけが持つ栄養には様々な効果があり、例えばビタミンCは熱に弱く水に溶けやすいと言われていますが、日本茶に含まれる「カテキン類」がビタミンCを守る働きがあるため、壊れにくいのが特徴です。

それぞれの栄養素が助け合い、相乗効果が期待できる日本茶は「スーパーフード」として長年、注目されています。


4. 淹れ方

お湯の温度と湯量が、味の分かれ道です

「お茶は自由に淹れて楽しむもの!」ですが、適温と適量を知っていると自分の好きな味にアレンジする近道となります。ここでは「フェニマックスのおすすめの淹れ方 - 煎茶・玉露」のレシピをお伝えします。

茶葉 g 1人分
  玉露 煎茶
フェニマックスの茶葉
1袋分 
7g  5g

 

一煎目
  玉露 煎茶
湯温 ℃ 30 - 40 60 - 70
湯量 ml 30 90
蒸し時間 second 180 90

 

二煎目
  玉露 煎茶
湯温 ℃ 50 - 60 70 - 80
湯量 ml 60 90
蒸し時間 second 180 90

 

煎茶と玉露の茶葉の特徴

栽培方法が異なることでそれぞれの茶葉が持つ栄養分の量が変わってきます。

煎茶の茶葉には渋味の成分「カテキン」が多く、玉露の茶葉には旨味・甘味の成分「テアニン」が多いのが特徴です。日本茶の茶葉の表面には甘味や旨味があり、中面には渋味や香りが含まれています。

煎茶

渋味の成分「カテキン」を多くもつ煎茶を中高温のお湯で淹れると、渋味と旨味・甘味がバランス良く抽出されます。

玉露

旨味・甘味の成分「テアニン」を多く持つ玉露を低温のお湯で淹れると、茶葉がゆっくり開くので表面の甘味や旨味だけを一煎目で抽出でき、煎茶では味わえない濃厚な旨味が引き出されます。

「美味しい」と感じるのは人によって好みがあり、同じ人でも体調や環境によって変わります。自分の好みのレシピを探求し「一期一会」のその日の日本茶をお楽しみください。

湯温別のチャート表もご用意しています。ぜひご活用ください。


5. 飲み方(味わい方)

食事やスイーツとのペアリング、Tea meditationなどお好きな飲み方で

煎茶と玉露の違いを知る最大の楽しみ方は、飲み方(味わい方)です。

皆さん、普段からお気に入りのスイーツや食事のルーティーンがあると思います。まずはそこから「私が好きなこのスイーツと煎茶はどんなハーモニーが生まれるのだろう?」と冒険のようにペアリングを楽しめるのが、日本茶を味わう醍醐味の1つです。参考までに、フェニマックスがおすすめする煎茶と玉露それぞれのペアリングをご紹介します。

煎茶

フェニマックスの煎茶は最高級上煎茶なので「浅蒸し・中蒸し」を多く取り揃えています。浅蒸しや中蒸しは茶葉本来の味を楽しめるため、穏やかで上品な味わいがベースにあります。

煎茶と相性の良いおすすめのペアリングは「マドレーヌやフィナンシェ」など、リッチでしっとりとしたスイーツです。これらのスイーツは高温で煎茶を淹れても、低温で淹れても口当たりが良いのでおすすめです。

玉露

フェニマックスの玉露は希少な有機栽培の茶葉を使用しています。そのため100%茶葉本来の純粋で濃厚な旨味・甘味が抽出されます。一般的に玉露は強いお茶と言われ「特別な高級茶」とされていますがフェニマックスの玉露は、飲み終えた後も翌日も飲みたくなる「癒しの高級玉露」です。

そんな玉露におすすめするスイーツは「マカロン」です。玉露は少量を味わうお茶のため、大きいスポンジケーキよりも小さくて「しっとり、サクサク」が1個で味わえるマカロンとのペアリングがおすすめです。

 

煎茶と玉露、どちらにも合うペアリング

ミシュランスターのシェフ達も口を揃えておすすめするのが「濃厚なチョコレート菓子」です。

「チョコレートと1番合うのは日本茶だ」と一流シェフも言い切るほど実は相性抜群。まるでチーズとワインのような関係で相性の良さはもちろん、組み合わせによって驚くほど味が変わる面白さがあります。

他にもフェニマックスで販売している「和三盆」は煎茶、玉露、もちろん抹茶にも最高のペアリングとしておすすめしています。

また、近年「Tea meditation」が世界的にも流行しているのはご存じでしょうか。1つ1つの動作に意識を置き、その瞬間にフォーカスするマインドフルネス法の1つです。どうして日本茶がTea meditationとして注目を浴びているのか。詳しい内容についてもお届けします。

「世界で話題の「Tea meditation」自宅や庭で楽しむ5つのポイント」はこちら

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