650年前、上流階級の人々から一般庶民まで夢中になった「闘茶」とは?
抹茶編
ワインのテイスティングのように、日本茶にもテイスティングがあるのはご存じでしょうか。
約650年前に人々を虜にして大流行した茶葉の産地や銘柄を当てる「闘茶」という伝統的な遊びが「日本茶テイスティング」の始まりです。
ワインの場合、産地や環境(テロワール)によって発酵具合が変わります。味や香り、色も変わり「どこの地域で、どんな環境で育った何年のワインなのか」、ソムリエやワイン愛好家は自身の舌を頼りに、その答えを見つけ出し、魅力的な表現でお客さんや友人達を楽しませてくれます。
「テイスティング」というと軽く飲んで味を語るイメージですが、650年前の闘茶会(日本茶テイスティング)は、抹茶の産地や使用した水まで当てるという真剣勝負でした。その勝負ごとに食事や酒、お金などの賭け事が始まりギャンブル化していきます。流行もピークになった頃、見兼ねた政府(足利尊氏)が禁止令を出して闘茶が終わったと言われています。
禁止された闘茶ですが、実は密かに闘茶で遊ぶ文化は現在まで受け継がれてきました。現代版の闘茶は日本茶も80種類以上に増えて、香りや味もより複雑です。
難しい作法や知識は一切不要な現代版「闘茶会」
ここでは抹茶好きにはたまらない「抹茶で闘茶」をご紹介します。
抹茶で闘茶
1. フェニマックスの抹茶4産地分を準備
最初にフェニマックスの抹茶4産地分を準備します。
2. その日に抹茶を点てる「茶人」1人を決めます
本日の茶人は抹茶を点てるだけでなく、闘茶会の司会進行(プレゼンター)の役割です。
産地ごとに分かれた投票箱を準備したり、点てる抹茶の順番を決めたり、ブラインドテイスティングができるように準備します。
また、口直しのお菓子もあると良いでしょう。フェニマックスでは伝統菓子の中でも最高級な「和三盆」をご用意しています。
小皿に抹茶を出して準備が整ったら、客人へ本日の抹茶の説明を始めます。
3. 各産地の抹茶の特徴と試飲
最初に、点てる前の抹茶の色を確認し、目で特徴を掴んでいきます。
次に、少量の抹茶を試飲して自分の舌に記憶させながら、各品種や産地の特徴を重ね合わせてみてください。
フェニマックス 抹茶セレクション
⚫︎京都 宇治 - 品種:おくみどり&さみどり
宇治市内産宇治100%のおくみどり&さみどりをブレンドした抹茶です。伝統的な宇治抹茶だからできる完璧な抹茶ブレンド。さみどりは宇治市内で誕生した特別な品種です。
その味は、口に含んだ瞬間から広がる甘味や豊かな香り、色彩は明るくややミルキーな緑色で、香味に溢れているのが特徴です。
⚫︎福岡 八女 - 品種:さえみどり
明るく冴えたフレッシュな緑色、爽やかさの中に渋味もしっかり感じられる味わいです。
山奥の澄んだ空気を吸った茶葉には「山の香り」がしみ込んでいます。
⚫︎鹿児島 霧島 - 品種:おくみどり
抹茶や玉露としても優れている日本茶界のベストセラーの品種です。色は森のような濃厚な緑色で甘く魅惑的な香りと甘味があります。
霧島は標高が高い山々に囲まれている寒暖差の激しい地域になります。味に奥行きがありつつ、さっぱりとした飲み終わりです。
⚫︎静岡 静岡 - 品種:おくみどり
霧島と同じ品種の「おくみどり」ですが土・気候・雨量が全く異なるため、静岡のおくみどりは、色が鮮やかで渋さも残る存在感のある味わいが特徴です。蜂蜜のような甘味も楽しめます。
静岡は日本の中央に位置し1年中温暖な気候のため、旨味・甘味・渋味のバランスが良い茶葉が出来上がります。静岡県は他県に比べ抹茶の生産が少ないため、珍しい商品です。
試飲をしながら各抹茶の特徴をつかめてきましたか?
抹茶は一見どれも同じように見えますが、じっくり味わっていくと驚くほど違いがあることに気付きます。
では、いよいよ闘茶会のはじまりです。
4. 闘茶スタート
1. 抹茶を点てる茶人が、客人の見えない場所で抹茶(薄茶)を点てて準備します。
2. 「①花・②鳥・③風・④月」と書いた(数字だけでも良い)紙を客人へ渡し、茶人自身も何をどの順番で点てるか、自身でメモをしておきます。
3. ①から順に点てます。点てた抹茶を少量ずつ、フェニマックスの小さな茶杯や手持ちの小さめなカップに入れていきます。
4. 人数分入れ終えたら、客人へ出します。
5. 客人は試飲の時に見た抹茶の色や味、香り、舌触りや後味などを頼りに五感を研ぎ澄ませ、産地を絞っていきます。
6. 「これだ!」と思う産地の投票箱に自分の名前を書いた紙を投票したり、紙の裏に産地を記していくなど、その日の茶人のルールに従い競っていきます。
1~6を各産地ごとに合計4回、行います。
4産地終えたら全員で答え合わせをしていきます。
産地ごとにポイントを付けて、最も正解数の多かった人がハイスコアになる闘茶会ゲームもあります。
5. 他者との舌比べだけではない、闘茶のもう1つの闘い
ワインのテイスティングイベントのようだと感じられる一方で、闘茶会は自身との闘いでもあります。「自分自身の五感を研ぎ澄ませ、自分の答えを導き出し、答えを信じる」という奥が深い遊びは数人で行っていても自然と自分の世界へ入っていくものです。
闘茶は誰もが楽しめる遊びです。
「パーティーの中に日本茶の闘茶会を取り入れたい」「人数は何人くらいまで遊べるゲームなの?」「会社イベントで禅の1つとして開催したい」など状況に合わせて最適なご提案もいたします。質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。
cs@Phenimax.com.